あなたへ

私は壱を起こす


フラフラな壱


『送るから家まで、待ってて』


そう言ったのに荷物を取りにいってる間に壱は居なくなっていた


心配で仕方なかった



携帯を手に覚えていた番号に電話した


毎日毎日渡された名刺のお陰で番号は知らないうちに暗記してしまっていた



『もしもし』


『壱?』


『結衣ちん?やっと電話くれたね』


『大丈夫?ちゃんと帰れた?』


そう私が聞いたのに同じ内容を返された


それから少しだけ話して壱が無事に家に帰ったのを確認して


電話を切った


壱の久しぶりの声が耳から離れない


普段話してたのに電話での声は嫌なくらい耳に残る


そのまま私は眠った


また壱のあの夢を見てしまった


目を覚ますと横には私を抱き締めて眠る健が居た