硝子の器に君の雫



 「大丈夫です、歩いて帰れますから、今日は自分のせいで場の雰囲気を悪くしてしまって・・・不愉快な思いをさせてすみませんでした」


 「あのさ、もう謝らなくていいから。それに泣きじゃくってフラフラになってる子をほっとくこっちの身にもなってよ。なにかあったら俺のせいになるんだけど」


 彼女を気遣って言ったつもりだったのだが、彼女はまた泣き出しそうだった。相変わらず自分は口が悪いと言うか。


物腰柔い訳でもないし、人を慰めたこともない。