硝子の器に君の雫



 「俺、様子見てくる。とりあえず篠原は自分たちの会計して、2人と先に店出てくれる?あの子の分は持つから」


「悪い、頼むわ。2人とも取り敢えず会計しに行こう、こんなになって御免ね」


篠原は女2人に誤り会計をして店を出でいった。

 自分も重い腰を上げ席を立ち店のトイレに向かった。彼女は手洗い場の隅の所で泣いていた。


 涙でメイクが崩れ酷かった。俺の存在に気がつくと顔をハンカチで必死に隠した。しゃくり上げながら彼女は俺に向かって頭を下げていた。