彩乃はいつもより10分ほど遅れて保育園に着いた。



6時ギリギリになってくると、引き取りも落ち着き、園内は残りの幼児・児童も少ない、そんな中で紗彩は静かにクレヨンを持ちぐるぐると何かを描いていた。



「さぁちゃぁ~ん、お迎えだよぉ、ただいまぁ」



声をかけると、ハッと顔をあげてクレヨンを放り出し速足でかけてくる。(ペタペタよろよろだが…)



可愛い…



思わず親バカなことを、思ってしまった。



膝を床につき両手を広げて待っていると、トンっと体当たりで胸にすりより短い腕でギュゥっとしてくる。



それを、すっぽりと腕の中に抱き込みハグしかえす。