「あ、の?私は大丈夫ですので。それより思い切りぶつかってしまい申し訳ありませんでした。お怪我してないですか?」
少し首をかしげながら俺にたずねてくるその優しく澄んだ声をぼんやりと聞いていた。
「おぃっ、翔?怪我したのか?彼女が聞いてるぞ?」
マネージャーが車からいつの間にか出てきて、俺と彼女の中間に立ち、俺の肩をつかみながら聞く。
「!!あっ、やっ、俺は大丈夫だ、よろけただけで、なんもない。」
そう、やっと答えると、マネージャーはホッと息をついた。
「あぁ、良かったです!本当にすみませんでした。そしてありがとうございます。それでは失礼しますね」

