「小林さんの、奥様ですよね?」



「そぅ、です…が?」



「いいですか?落ち着いて聞いて下さいね?」



「……」



心臓がバクバクと煩く騒ぎ、声を出すことさえ出来ずにいた…



私の無言をそのままに、菅野という警官はさらなる早口で話しだした…



「本日午後10時5分頃、中央公園駅前の交差点で信号待ちをしていた小林幸太さんに、バイクが運転を誤り、ぶつかってきましたっ。」



(ば、バイク…)



ただもう、言葉が耳から入り、抜けていくようで何を言われているのか理解が出来なかった。