「…なあに?」自分の声が微かに上ずっているように感じた。
ソファーの隣に腰掛けながら片足は完全に上にあげてしまって、体を私の方に思い切り向ける。
「大事な話、させて?」優しい声で翔哉が話す。
『うん』と言いながら頷いたつもりだったが、声は喉に引っ掛かり出せなかった。
しばらく、無言で見つめ合う。
「彩乃…」ゆっくりと私の方に手を伸ばし、左手を取られる。
そして手のひらを上に向けられたと思ったら、何かが乗った感触…
翔哉の顔を見ていた視線を自分の手に向けると小さな箱が乗っていて、私の手ごと翔哉の大きな両手で包まれている。
パッと翔哉を見ると…優しい、でも真剣な瞳で「愛している…結婚、して…下さい。」と言ってくれた。
こんなにも早く『結婚』という言葉を聞くとは、正直思っていなくて、ただただ驚く。

