求*幸福~愛しい人はママだった~【完】



社長は、笑顔で言い切ると1つ頷いてから、マイクを少しだけ戻した。



次は質疑応答になるはずだ。



どんな質問が出されるのか…イヤな質問をしてくる記者は必ずいるだろう……私はテレビを見つめたまま、思わず手を握りしめていた。



そんな時…ただ、待つことしか出来ない私が、そんなはずはないのだけれど、テレビの向こうの翔哉と、目があった…見つめ合った…そんな一瞬があったような気がした。



「では、これより、質疑応答に移らさせていただきます。まずは、挙手にてお願い致します…」司会者が言い終わらないうちにバッバッと、手をあげる人で一杯になった。





どうやら、指名権は司会者にあるらしく、記者達は盛んに司会者に向けてのアピールをしていた。



それが、何だか会見の最中だっていうのに…妙に張り切る子供の様で思わず苦笑いしてしまった。