「あの、小林幸太さんはこちらを右手に行って突き当たりの第一救命救急処置室に入られてます、処置室の手前に救急用ステーションがありますので、そちらにむかわれてください!」
「こっちね?わかったわ…」
最後の言葉は既に体の向きを変え、走り出した後で、看護師に聞こえることはなかった。
短い廊下を「んあぁ、あぁ」などと言う紗彩を抱えたまま、また、靴を鳴らして走る。
言われたように進むと一枚のガラス自動ドアがあり、その向こうにいくつかの処置室が並び、その手前にナースステーションのようなカウンターがあった。
ドアからそちらへ入ると、ステーションも処置室もざわざわとして、人も多く行き交っていた。

