『誕生日…一緒に過ごす…』



「あなた…あたしが誰か、分かってるかしら?まぁ~あなたみたいな人はあたしが載る雑誌は読まないわよね」言外に『あなたはあたしとは違う』というメッセージが込められているのは彩乃でも分かった。



無言でいる彩乃に向かい「いいわ、特別に教えてあげる♪あたしはモデルのリリアっていうの、これから翔の側にいることも多いから覚えといてねぇ」言うだけ言うと手をヒラヒラさせて満足げに帰っていく。



『なんだったのだろうか…今の女性は…私に何を望んだのか…』分からない事を押し付けられて軽く目眩を感じながら、遅れた分を取り戻すように保育園に急いだ。

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夜、一人の時間を過ごしながら夕方の女性を思い出していた…いや…考えなくても勝手に頭に浮かんできた。



『あの、モデルのリリアさんと誕生日を過ごしたのね…』