求*幸福~愛しい人はママだった~【完】


既に日付が変わろうとしている時間だ、眠っていたと思われる、少しかすれたトーンの低い声が、7コールほどしてから聞こえてきた。



「はい…小林ですが…」



少し機嫌が悪そうにも聞こえる声は義父のものだ。



「あっ…あの…、あや、のです…すみません…こんな夜分にお電話してしまい…で、でも、あの…」



「あぁ、彩乃さんか、なんだい?急用、だよね?こんな時間に…」



少しはっきりとした口調になった義父の、やはり不機嫌な声がまた、聞こえた。



「…はぃ、あの、あの…幸太さん…が、…あの、こう、つ…うじこ、に……」