「 ・・・おい、 」
「 びゃ、白夜様!! 何でしょうか 」
闇皇との話が終わり白夜がやって来たのは、ボロボロになりながらも魔界へと帰還してきた悪魔達の元だった。
「 私を――・・、いや やはり何でもない 」
聞くのを止め、目を伏せその場を離れてた。聞かれた悪魔は、隣にいた悪魔と首を傾げて離れていく白夜を見た。
「( 聞いてなんとなる・・ )」
暗い廊下を歩きながら思う。白夜を助けたものを聞こうにも白夜を助けた事をあのもの達が知るわけがない・・・、
「( 第一相手は大天使・・・下級のものが勝てるわけがない・・・・ )」
立ち止まり、暗い空に輝く月を見た。
――震えていた。
微かだがあの者は、怖がっていた、強がっていた。私を助ける為に、・・・・私なんかのために、――胸が痛む、
口を覆う布を取り、その哀しさに揺らいだ瞳を天へと向ける。
「 ・・・( どうか、あの者が――・・)」
誰にも見られずただ白夜は自分を助けてくれた者の無事を願った。