白と黒の神話

「まったく、よくもここまで揃ったことだな」


 挑発的ともとれるカルロスの口調。それにデュラハンは動じる様子もみせてはいない。


「これは我なりの歓迎だからな。本来であれば、ここまではせぬ。しかし、盟主様より直々のお言葉をいただいたからな」

「盟主って誰なの」


 恐怖を隠したようなセシリアの声。しかし、デュラハンは気にもしていない。


「今、知る必要はない。お前たちはここで仲間となるのだから」

「お断りね。誰がアンデッドなんかになるものですか」


 そう言い切るなり、ミスティリーナは一気に魔法を発動させようとしている。


「偉大なる焔よ。すべてを清める力あるものよ。我に仇なす不浄のものを焼き払いたまえ。フレイム・ボム!」


 彼女の声に呼応してあらわれる多数の火の玉。それらはアンデッドの集団を焼き払おうとしている。だが、数が多いためにその威力は減少している。そのことに思わず舌打ちいた彼女はセシリアとカルロスの剣に目をやっていた。