白と黒の神話

 セシリアよりも占いのことを知っているミスティリーナの言葉。それを聞いたセシリアの表情はかすかに明るくなっている。そして、グラン・マもその言葉に賛同するように大きくうなずいていた。


「さすがは火のお嬢さんだね。そのとおりだよ。聖王女という占うにはあまりにも大きな存在が絡んでいるからだよ。道はいろいろと示されている。でも、そのどれもが正解であり不正解。グローリアの聖王女という要因が入ったとたん、結果は大きく変わってしまう」


 グラン・マの言葉は、セシリアが望んでいる明快なものではない。しかし、その言葉は信用できるものだと彼女は感じている。そうである以上、彼女はいつもと同じようにグラン・マの意見をきくしかないのだった。そんな彼女の様子がわかっているのかいないのか、グラン・マは占いの結果を告げている。


「あちらこちらに痕跡はみえるよ。うん、それは全部、聖王女の白い光だ。でも、その光を消しかねない影も一緒にみえる」

「その影って何なの?」