白と黒の神話

「リアにしてみたら、何を勿体ぶってっていう思いがあるんだろうね」

「そうよ。私がどれほど心配しているか、グラン・マもよく知っているでしょう」


 できるだけ穏やかな口調で、とは思っていてもそうはできないのだろう。セシリアの声には焦りの色がにじんでいる。そんな彼女をみながら、グラン・マは占いの結果を話しているのだった。


「あんたをがっかりさせる結果しか言えないんだよ。結論から先に言うと『わからない』っていうしかできないね」

「どうしてよ。いつもなら、ちゃんと答えをくれるじゃない!」


 思いもしなかった言葉を耳にしたことで、セシリアは思わず大声を出してグラン・マに詰め寄っている。そんな彼女にミスティリーナはポツリと声をかけていた。


「リア、落ち着こうよ。おそらく、聖王女という存在が大きすぎて占いきることができないんだと思うから」

「そうなの?」