白と黒の神話

 大体の事情がわかったセシリアの口調は冷ややかとしか言いようがない。そんな彼女の様子にビクビクしながらも、アルフリートは話し続けるしかないと理解し始めていた。


「でも、それもそろそろやめるつもりだったんだ。周りも騒ぎ始めているし。で、アルディスにそのことを言いにきたら、お前たちがいたわけでさ……」


 アルフリートのその言葉に、セシリアは何も言うことができない。盛大についたため息が、彼女のやるせなさを物語っているのだろう。


「では、アルフリート様は本当にご存知ないのですね」


 事実を確認するようなセシリアの言葉にアルフリートは頷くしかない。それをみたセシリアはどうすればいいだろうと悩んでしまっている。その時、その場にやってきた相手の姿をみたセシリアはホッとしたような表情を浮かべていた。


「ジャスティン、ちょうどいいところに」

「セシリア、どうかしたのか」