白と黒の神話

 そうやってアルディスとジェリータの手が触れたと思った瞬間。
 あたりには眩しい光がいっぱいになっていた。その光に思わず目をつぶってしまうセシリアたち。その光の膜に包まれているような二人。


「どうなってるのよ」


 あまりにも眩しくて目をあけることのできないミスティリーナがそう言っている。しかし、それにこたえることができるものがその場にいるはずがない。


「邪霊王様、あれは?」


 思いもよらぬことが起こっていることに、動転しているマレーネ。しかし、邪霊王自身も何が起ころうとしているのかわかっていなかったのだ。彼自身も固唾をのんだように光の膜を凝視している。


 そして、その光の膜の中――。


 お互いに鏡に映したかのようにそっくりな二人は正面からお互いをみているのだった。



 トクン、トクン――。