ミスティリーナの言葉にセシリアは笑ってうなずいている。そこには、酒場で出会った時の喧嘩腰な姿はどこにもない。もっとも、それはミスティリーナにもいえることだった。二人は同じ年頃の女同士という気安さも手伝ってか、飽きることなく話を続けているのだった。


 そして、翌朝――。


 どことなく眠そうな目をこすりながら、部屋の窓をあけているミスティリーナの姿があった。その後ろにはセシリアの姿もみえる。


「よく話したわね。もう、朝になっているわ」

「本当。でも、これであたしのこともわかってもらえたかな」


 そう言いながらセシリアの方をみているミスティリーナ。一晩中、話したことで二人の中には心安さというものもうまれていたのだろう。それを証明するようにセシリアがミスティリーナにかける声は穏やかさが感じられる。