白と黒の神話

 神竜の言葉に思わず大声を上げているミスティリーナ。いくらなんでも、こんなでかい竜に一緒に来られては困るといわんばかりの顔をしている。


『心配することはない。小さくなれるんじゃからな』


 そういうなり神竜は白い蛇にその姿を変えている。この調子だとついてくるのは間違いないと思ったセシリアは思わず頭が痛くなるのを感じていた。


「お断りするというのも失礼ですのでご一緒にと申しますが、邪魔をなさるとその場で捨てていきますからね」

『この罰当たりが』


 神竜の叫びは誰も気にしてはいない。それはセシリアの言葉が、その場の全員の気持ちを代弁しているものだったからだ。



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 コツ、コツ、コツ――