白と黒の神話

 ミスティリーナのその言葉にウィアがうなずきながらページをめくっている。


「リア、どうすればいいと思う?」

「どうするもこうするも、陛下には申し上げないわけにはいかないわね。後はこれと同じものがあるかどうか……」

『おそらく聖教皇ならもっておるじゃろう。これは、代々の聖教皇に秘密裏に伝えられていることと同じはずじゃからの』


 そう言いながらポリポリと顎をかいている神竜。その姿をみたミスティリーナはどうみてもこれが聖なるものだとは思えないようだった。


「あんたがもっとしっかりしていればよかったんじゃないの」

『儂が神竜と呼ばれておったのは千年から前の話じゃ。今の儂はただの番人じゃ』

「でも、その番をしていたものはなくなったんでしょう。番人さんはこれからどうするの」

『そうじゃのう。何もすることがなくなったしお主たちと一緒に行くことにしようかの』

「何ですって!」