「これがわたくしの力ですわ。おわかりになりましたでしょう」

「たしかにね。でも、これくらいなら僕は防げるよ。わからないのかい?」


 そう言うなり、シュルツはジェリータに近付いている。


「悪戯がすぎたようだね。お帰り」

「お、お兄様……」


 思わず、恐れるような表情を浮かべるジェリータ。そんな彼女の額を軽くつつくシュルツ。次の瞬間、ジェリータはかき消すようにその場から姿を消してしまっているのだった。