「どうしたっていうのよ」


 まるでわけがわからないため、苛々したような声のミスティリーナ。その彼女も肖像画を目にするなり、ポカンとした表情を浮かべていた。


「き、綺麗……」


 そこに描かれていたのは、美少女という言葉が相応しい少女。柔らかな巻き毛の金の髪、穏やかな光の青い瞳。クリームのような白い肌に浮かんでいるえくぼと珊瑚のような唇。その耳を飾っているのは見事な真珠。


「これがお姫様なの?」


 聖王女と呼ばれるアルディスがこれほどの美少女なのかとビックリしたような顔のミスティリーナ。それにセシリアはうなずくだけ。


「これじゃ、シスコンになるのもわかるかも」