どうやら、そういうことを想定していなかったアルフリートは言葉に詰まっているが、カルロスを睨みつけるのはやめていない。


「ありえないと思うがな。そんな夢でもみておけ」


 捨て台詞ともとれそうな一言。それを耳にしたセシリアたちも思わずため息をついている。しかし、カルロスはそんなことはまるで気にしていないようだった。



◇◆◇◆◇



 そして、翌日の早朝。

 セシリアたちは足早に宝物庫へと足を運んでいた。調べるのにどれだけの時間がかかるかわからない。それでも、手掛かりがあるようにと祈るような思いがセシリアとカルロスにはある。

 警備の者には国王からの命が伝えられている。セシリアたちの姿を認めた彼らは入口をあけているのだった。


「凄い、いろいろあるのね」