「でも、どうしてそんなことを知っていたの」

「聖王女の世話役に盟主の息のかかった者がいたんだよ」

「まさか……アルディス様の世話役は、身元も何もきちんとした者ばかりよ!」


 思いもしなかったことを聞いたセシリアの叫び声。それを無視するかのように、シュルツは自分の知っていることを話している。


「嘘じゃないさ。なにより、聖王女はいなくなっているんだろう。それが何よりの証明さ。とにかく、時間もないから手早くすませようか。聖王女を移動させる時に立ち寄ったのがあそこの遺跡。そこで予定外のことがおこったんだよ」


 そう言いながらシュルツはセシリアたちが出てきた廃墟を指差している。


「彼女は自分の身を守るために、己を聖水晶の中に封じ込めた。そして、アンデッドはそれに手をだすことはできない」