デュラハンが姿を消したことで彼自身も気持ちが切り替わったのだろう。シュルツの声の調子は先ほどとは違ったものがある。しかし、それを信用してもいいのかどうかはわからない。そんな中、ミスティリーナはセシリアの顔をじっとみていた。この場の決定権はセシリアにあると感じていたのだろう。それにはグラン・マが告げた予言のせいもあるのだろう。彼女は敵のようにみえても味方になる者があるとはっきりと告げたのだ。そして、そのことを知らないカルロスだが、ここで自分が何かをいえる立場でないことを感じている。そんな彼の様子にウィアはわざと大袈裟な安堵の息をもらしている。
「お前、そこまであからさまにするか」
「いえ、王子に理性があったことを感謝しているんです」
ちょっと離れた場所でぼそぼそと話している主従の姿。それにシュルツは目もくれようとはしていない。
「君たちが知りたいことはわかっているさ。聖王女の行方だろう」
「お前、そこまであからさまにするか」
「いえ、王子に理性があったことを感謝しているんです」
ちょっと離れた場所でぼそぼそと話している主従の姿。それにシュルツは目もくれようとはしていない。
「君たちが知りたいことはわかっているさ。聖王女の行方だろう」


