白と黒の神話

「僕はシュルツ。そこのデュラハンは知り合いでハインツという。あのとおり血の気の多いヤツだから、失礼なところもあったかもしれないけどね」

「つまり、貴様もアンデッドの仲間か」


 カルロスの声に、シュルツと名乗った青年は思いっきり嫌そうな顔をしている。


「アンデッドと僕を一緒にしないでくれたまえ。僕はカイザー・ヴァンパイアだよ。下級なやつらと同列にしないでほしいね」


 そう言って、カルロスに詰め寄るシュルツ。その気迫はどこか凄みを感じさせる。それに押されるように後ずさるカルロス。しかし、シュルツはその彼を追い詰めることをしない。それを不思議そうな顔でみているデュラハン。


「どうして、その無礼者をそのままにしておかれるのですか」

「この坊やたちには頑張ってもらわないといけない用事ができたんだよ」


 シュルツの言葉にわけがわからないという顔をしているデュラハン。その彼のみならずセシリアたちまでもが驚くようなことをシュルツは口にしていた。