「はぁ…」

私は大きくため息をついた。
あの後、私は無我夢中で教室まで走った。
「恥ずかしい…。あの男の子に歌ってるとこ見られちゃった。」

今は自分の机。
「はぁ…」
またため息をついてると後ろから、

「ため息ばっかついてると、幸せ逃げちゃうよ♪」

「瑠花!」

この子は高1からの親友、環 瑠花(たまき るか)。
相談とかによくのってもらっている。

「だって…知らない男の子に歌ってるとこ見られちゃったんだもん…」


「いいじゃん!!歌って聞かれてこそ価値があるんじゃん!てか、その子イケメンだった?」

瑠花はイケメン好き。彼氏いるけど…

「そうだけど…。あんまり顔見てないけどイケメンだったかも?でも、あの男の子見たことないかも…」

「本当に!?じゃあ今日来る転校生じゃない?」


「転校生か…ふ~ん…」

「ふ~ん…ってあんたね!!ものすごくイケメンなんだからね!」

「はいはい。」

いっつも瑠花とはこんな話ばっかりしている。

まさかこの後あんなことが起こるとは思わずに。