私はが年長になる頃兄弟も疲れていたのだろう

保育園に誰も迎えに来ない日があった

何時になっても迎えに来なかった


そして、私は誰かのはからいで友達の家に泊まる事になった

たぶん、次の日はお休みだった気がするから土曜日だったのだろう


友達の家は、絵に書いたような平凡で平和な家庭だった


だから、なんだか居心地が悪かった・・・

私は、平凡な家族と一緒に過ごす時間なんてあまり記憶がなかったから


おじさんやおばさんはとても優しかったが

家の事をいろいろ聞かれた。

私は

「よく解らないけどお母さんはあまり帰ってこない」

とだけ答えた

『男の人と居て・・・』

なんて口が裂けても言えなかった


その日の夜は、友達と一緒に寝た

友達の部屋は、雨戸が締まっていて電気を消されると真っ暗で

真っ暗すぎて私は恐くて眠れなかった。

私は、いつの間にか雨戸を閉めるような生活をしてなかったから

いつもどことなくうっすらと明るい夜の中、寝ていたのだと感じた

眠れなくてトイレに向かうと



おじさんとおばさんは私の話をしていた


「か・わ・い・そ・う・に・・・・」




私は始めて自分はかわいそうな人間なんだとその時知った






『カ・ワ・イ・ソ・ウ・ニ』






この言葉を聴いてからの記憶ない





ただ次の日なぜか頭を下げて母が友達の家に

私を迎えに来た事だけを鮮明に覚えている。