母は未亡人になって男癖が悪くなった


引っ越してからというもの母と過ごす時間は減った


私は保育園に入った
姉や兄は幼稚園を卒園したのに私は保育園だった。

それ自体は父がいないのだから仕方ないと思っていた

でも・・・・


迎えに来るのは、いつも兄か姉だった。

それは、まるで私は邪魔だと母から言われている気がしていた。


でも、母は保育園の行事には来てくれた

それだけが幼い私の救いだった。


その頃の私は、喘息との闘いだった気がする

発作が起きても助けてくれる大人は周りに居なかった。

でも、恐くて兄の後ろばかり追っていた気がする


そんな子供たちだけの生活が始まり私達の生活はすさんでいった


吸い取るだけお金を吸い取った母方の親族から連絡は

気が付けば連絡すら来なくなっていた。



母もその事に、気付いたのか寂しさから男に走ったのだと今ならわかる。

でも、その男たちもまた母の金が目当てだった。


母は、あまりお金を家に置いていかなくなった。

そうすると、私達兄弟は食べるものがなくなる日が多くなった


体力が落ちると私は喘息発作に恐れた

それをほっておけなかったのか小さい姉ちゃんは学校を休むようになった。

そして、私と遊んでくれるようになった。


大きい姉ちゃんは、いつもうつむいて泣いていたような気がする

それが、イヤだったのか姉同士は喧嘩する事が増えていった


私は、父の死で生活が180度変わったんだと
自然に現実を受け止めるようになっていた


『大人は、勝手だ』

『大人は、汚い』

『大人は、嘘つきだ』

いつもそんな事を考えていた。


でも、みんながあまりにも笑うことを忘れていたので

私は必死に笑っていた。


作り笑いと言うより、

本当によく笑って見えていた。


その笑顔が嘘か本当か自分でも解らなくなるほどで

私の笑顔が作りも物と気付く人がいないほど、完璧な笑顔を作っていた