夏休みが終わるころ

私は友達からよく言われる言葉があった

『考え方大人だよね』
『凄い、なんか落ち着いてる』
『なんか冷静だよね』


誉めるのか、世界が違うと境界線を引きたいのか分からない言葉たちが耳につくようになった。

本当に大人になれたら良いのに

12歳なんてまだまだ子供だ。

そのことは私が一番わかっていた

だって何一つ自分で決めてはいけないのだから

考えが大人だって、落ち着いていたって、冷静だってその現実は変わらない



この頃私は一人でよくお父さんのお墓にこっそり行っていた気がする

死ぬってきっと一番楽な気がしていて凄く父が羨ましかったから


生きることの意味が見出せないでいたから

子供らしく演じて、頭では大人になりたいと願う中途半端な自分だったから


『ねぇ。お父さん生きるってなんだろね』

そんなことを何度墓の前に口ずさんだろう



何度も何度も・・・


でも、死に方さえ知らない。

生き地獄なんて知らない子供だった。


そう。

夏が終わるともっと地獄が待っていたのに・・・


あの頃は自分だけだ精一杯だったから