目が覚めても、また眠る
そんなことを繰り返していたが
いつか眠ることもできなくなり
私は友達に誘われるがままポートボールを始めた

学校に行き練習し無我夢中で汗を流し、時にはバカ笑いをしながら子供という生活を過ごす

たくさんの大人達が練習を見に来ては差し入れを持ってくる。

そこに来る大人たちの中に私の母親は来ることはない。
期待なんて掛けてもらえる子供じゃない。

だって多分一番いらない子で一番まだ手がかり金も掛かる子だから

兄姉もこの頃顔なんか合わせてなかった気がする

12才・・・その誕生日すら私は1人で過ごしたのだから

でも、夏休み生まれに感謝した。

みんなに『どんなプレゼント貰った?』なんて聞かれなくてすむから

家庭料理なんて無縁だったしこの頃はパンを買うか菓子を買うかして食事を済ませた。
昼はポートボールの帰りにみんなでファーストフードに寄って食べた。

お金が足りなくなればおばあちゃんの家に行きお金を貰った。

私が唯一救われていたのは私に愛情を注いでくれるおばあちゃんが居たこと

年金を遣り繰りして私に小遣いをくれる。

生きて行けるように。

ただその為に

私は生かして貰っていたんだ

この不自然な歪んだ世の中に

楽しい事なんて何一つ見出だせない世の中に

まだまだ小さい世界で震えながら生きていたから・・・