『歩』〜人は愚か〜

11歳の冬の終わりは兄の高校合格とともにやってきた

専門学校に落ちた兄は自分の高校のランクを下げたのだろうか

私には分からなかった

でも、兄はうれしそうに私にケーキを買ってきた


「おまえのお陰で合格できたよ」と言って


そう、専門学校に落ちた兄のために私は入試当日こっそり兄に紙で作ったお守りをこっそり鞄に入れておいた

幼い私は、そんなことしか出来なかった。

でも、少し照れながら二人で食べたケーキの味はきっと忘れない

だって、兄は今までそんなに優しい顔で私を見たことはなかったと思うから。





そして、兄が高校に入学し私は小学6年生になった。

もうすぐ、人生が変わっていくカウントダウンが始まった・・・・