11歳になった私は
何とか食べる事はできる生活になっていた。

日曜になれば必ずおばあちゃん家に行きお金をもらっていたからだ

生きて行くには食べることと寝る事はどうぢても必要だったから


もう、そのころには母方の親族とは一切連絡を取らなくなっていた。

姉が車の免許を取ってためたまに通る、母方の実家の酒屋前を通るたびに寒気がするくらい、できれば避けて通りたい道になっていた。


酒屋は繁盛しているらしく通るたびに倉庫が大きくなっているように思えて苛立ちを募らせていた。

金の亡者はどこまでも貪欲に思えた。

いつか言ってやりたい

「金返せ!この寄生虫!!」と・・・・

そんなことを思っていた。


こんなに憎まれてるなんて思ってもないのだろう


そして、私の憎しみは日をおう毎に増大していった。





冬になると
兄は高校受験の為にいろいろ悩んでいた。

私立なんて行くお金ないことに


兄の受験はバブル絶頂。

それはみんながこぞって私立受験をしているさなかだった


情けない・・・・

父の遺産さえあれば兄は悩むことなんてきっとなかったんだろう


そして、私さえいなければ

この家にとどまることもしなかっただろう


『ごめんねおにいちゃん』

私はこの時自分の事が精一杯で兄の気持ちなんて考えもしなかったんだ