おばあちゃんの家に着く前に自転車を乗り捨てた


夕日が綺麗に見える頃

私達はおばあちゃんに家に着いた

久しぶりに私はおばあちゃんに会った気がした

そして、兄と私を抱き寄せておばあちゃんは泣いていた

お金のなかった私達に

「どうやってきた?」

とおばあちゃんが尋ねた。

兄は

「歩いてきた」と答えた

そして、おばあちゃんは空になった私のランドセルと

2人分の荷物の入った兄の鞄を見て

「よく2人でがんばってきたね」

とまた大粒の涙を流した

付かれきった私はその後私は記憶が途絶えた。


ただ、数日おばあちゃんの家に泊まり

久しぶりに穏やかな時間を過ごした。

学校の事はおばあちゃんは聞かなかった。

たぶん、そんな事を気にする余裕なんてなかったのだろう



しばらくして、家に帰ると

私に養子の話しが上がっていた。


内容は、また母方の親族だった。

子供ができない夫婦が居て少しでも血の繋がりがある母の子供を引き取りたいと・・・・

金の次は、子供までかと呆れた・・・

養子は小さい姉ちゃんんか私のどちらかをとのことだった

私には、今の生活は辛すぎたけど、兄弟と離れて暮らす事の方がいやだった。

だから、兄の手を握った。

その瞬間から、私は言葉を発しなくなった。

兄の問にも、誰の問にも・・・・

兄は黙って私の手を引いて家を出た

そして、公衆電話に向かった

兄が何を考えているのかはわからなかった。