詩織はとても焦っていた。
「どうしたの?」
「あの子達、和泉に告白したらしんだけど、
そしたら、
彼女がいるってちゃんと言ったみたいなの、和泉。
それで、彼女が花音だって知ったら、
あの子達、
花音のありもしない噂話を和泉にしたみたいで。
それ、誰から聞いたんだって和泉が言ったら、
『夏目先輩から聞いた』って答えたって。
そしたら和泉、
『あの野郎許さねー』って走っていったみたいで・・・」
・・・拓人が・・・?
「夏目先輩って、3年何組だっけ・・」
「3年2組。
花音、行く?」
私は頷いた。
廊下に飛び出ると、
詩織と一緒に3階へ走った。
3階に着くと、
廊下に人だかりができているのが見えた。
「けんかけんか!
夏目が2年にボコられてる!」
何人かが、そう言いながらその人だかりへと
走っていった。
やばい・・・拓人だ・・・