拓人は私の頬をゆっくりと撫でた。


拓人の顔は、すごく切なそうに見えた。





「花音」


真剣な声で呼ばれて、私は深く頷いた。





「俺は花音のことを、



花音のことを・・・」






・・・私のことを・・・









「・・・大切な子だと思ってる」




たい・・せつ・・・



「他の女子とは違う。

特別な存在だって俺は思ってる。



でも・・・」




「でも・・?」






「彼氏にはなれない。



俺、誰とも付き合う気がないんだ。




・・ごめんな・・」