「1/4の奇跡」左側の君に【完】





廊下を走りながら、

落ち着け

落ち着けと、

自分に言い聞かせていた。



ただ、話ししていただけじゃん。



そうだ、ただの世間話。




あ!もしかしたら、女バス?マネージャー?


部活の話なんじゃない?




落ち着け


落ち着け・私・・・



でも・・あの雰囲気・・・




バンっと誰かにぶつかって私はしゃがんだ。




「ごめん!大丈夫?」




そう手を差し伸べてくれたのは、

阿部さんだった。




「え?・・・えええ???

大丈夫???


そんな・・泣くほど痛かったの??



ちょっと!!葉月さん???」




阿部さんは私の腕を引っ張って立たせてくれた。



「なんかあったの?

大丈夫???





ちょっと・・こっち行こうか・・」






そのまま阿部さんは、


私を非常階段の方へと連れて行ってくれて、


二人で階段に座った。


「大丈夫?」


阿部さんは私の頭を撫でてくれた。




どうしてだろう・・・


拓人のことになると、


すぐに泣きたくなる。