廊下を走りながら、
落ち着け
落ち着けと、
自分に言い聞かせていた。
ただ、話ししていただけじゃん。
そうだ、ただの世間話。
あ!もしかしたら、女バス?マネージャー?
部活の話なんじゃない?
落ち着け
落ち着け・私・・・
でも・・あの雰囲気・・・
バンっと誰かにぶつかって私はしゃがんだ。
「ごめん!大丈夫?」
そう手を差し伸べてくれたのは、
阿部さんだった。
「え?・・・えええ???
大丈夫???
そんな・・泣くほど痛かったの??
ちょっと!!葉月さん???」
阿部さんは私の腕を引っ張って立たせてくれた。
「なんかあったの?
大丈夫???
ちょっと・・こっち行こうか・・」
そのまま阿部さんは、
私を非常階段の方へと連れて行ってくれて、
二人で階段に座った。
「大丈夫?」
阿部さんは私の頭を撫でてくれた。
どうしてだろう・・・
拓人のことになると、
すぐに泣きたくなる。



