「1/4の奇跡」左側の君に【完】








どういう意味・・拓人・・・





しばらく抱きしめられていたら、



うわああああーーー!!!!と驚かれた。





はっとして、二人でみると、


小学生ぐらいの小さな男の子と女の子が立っていた。





「ドラキュラだ!!!」



男の子がそう言うと「違うよ!!」と女の子が反論した。




「だって、今血吸ってた!!オレ見た!!」


「ドラキュラじゃないよ!全然違うじゃん!怖くないもん!」





・・・まずい・・どうしよう・・・


そうだ、懐中電灯・・・



急いでゴソゴソと自分の顔に懐中電灯を照らした。


すると拓人が私の肩に手を置いてきた。



そのまま拓人の顔が近づいてきて、


ふわっと私の頬に


拓人の髪が触れた。





拓人は、私の首元に顔を近づけていた。





「・・・あっ」






「ぎゃあああああーーーー!!!



血吸ったーーーーー!!!」







そう叫びながら子供たちは出口へと走っていった。






拓人が私からはなれた。




「お前、変な声出すなよ・・なんもしてねーだろ」




拓人はコツンと優しく私のおでこを叩いた。