拓人は右手で、私の頭を撫でた。
「もう、寝ないと明日きついぞ。
部屋に行け・・」
私は首を振った。
「私、ここで寝る。
そばにいたい。
離れるのが・・・怖いんだ。
寝るのが、怖い・・」
拓人は、ソファーから下りて、床に座った。
「しょーがねーな・・
ほら、横になれよ。
お前が寝るまで、ここにいてやるから」
拓人は、ソファーをポンポンと叩いた。
私が横になると、拓人は布団をかけてくれた。
そして、私の顔の横で頬杖をついて、髪を撫でた。
「目つぶれ・・・ずっといるから・・・」
私は手を差し出した。
拓人は、撫でる手を止めて、
私の手を繋いだ。
目をつぶると、
温かい手のぬくもりが、伝わってきて、
すーっといつの間にか眠っていた。