「こんなとこで寝てたら、風邪ひくぞ。
部屋に行って寝ろよ」
繋いだ私の右手を、拓人の右手がポンポンと優しくたたいた。
私は、繋いだ手を見つめた。
もう、繋ぐこともできないと思ってた。
もう、無理だと思ってた。
どんなに想っても、
どんなに好きでも、
もう、会えないと思ってた。
私は繋いだ手をぎゅっとした。
「もう、どこにもいかないよね・・?」
「ん?」と、私の顔を覗き込んできた。
「朝が来ても、また夜が来ても、
明日が来ても、明後日が来ても・・・
ずっと・・・会えるんだよね・・?」
拓人は私をまっすぐに見つめて、大きく頷いた。
「安心して寝ろ・・・
俺たちは、ずっと、
出会った時からずっと、
同じ想いを抱えてきたんだ。
この先もずっと変わらない。
俺たちはずっと・・・同じだ」