拓人は、布団の上に座って、ぼんやりとしていた。
そして、頭をくしゃくしゃっとして、
立ち上がった。
「わっ・・花音か・・」
ソファーに座っていた私に、拓人は驚いていた。
「拓人・・・大丈夫?」
「ちょ・・・トイレ」
拓人は、髪をいじりながらリビングから出て行った。
しばらく待っていたら、また戻ってきて、
私の右隣に、ドカっと座ってきた。
拓人の髪は、寝癖でくしゃくしゃになっていて、
かわいいと、隣から眺めてそう思った。
「何か飲む?お茶?水?」
間接照明の優しい灯りの中、
拓人が優しく微笑んだ。
「じゃあ・・水お願いします」
「はい」
私はキッチンに行って、
冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを出し、
コップに入れて、
拓人の前のローテーブルに置いた。
「ありがとな・・・」
拓人は水を一気に飲み干した。
「おかわり?」
「いや・・・もういいよ」
あははっと拓人は笑った。
そして、私の手を繋いで、指を絡ませてきた。