お父さんの顔は、強ばっていて、


かなり怒っていることが伝わってきた。






「すみません。




ちゃんと話をさせてください。




お願いします」



拓人は、深く頭を下げた。






「こんなところじゃ・・ね、お父さん。



中に入ってもらいましょうよ。



ご近所の手前もあるし・・・ね」








お母さんは、スリッパを二つ玄関に並べた。




「中で聞く。入れ」






お父さんは、そう言ってリビングに戻っていった。







「おじゃまします」



拓人はまた頭を下げて、


玄関の中に入った。




「ごめんなさいね。せっかく来てくれたのに。




夕飯は食べたの?」





私は首を振った。







「じゃあ・・食べて行ってね。



拓人くん時間は大丈夫?




明日土曜日だけどお仕事?」




「いえ、土日は休みです」





「拓人、小学校の先生しているの」






お母さんはリビングに入りながら、


「へえ」と驚いていた。







テーブルには、ご飯の最中だったのか、



ご飯が並べてあった。





拓人は、前と同じ場所に座り、


私もその隣に座った。