もう少しメガネの拓人を見ていたかったけど、

残念ながら、メガネは外して降りてきた。




玄関の扉を開ける前に、拓人は大きく深呼吸した。





「大丈夫だよ・・拓人。




私がちゃんと説得するから」





拓人は私の頭に大きな手をのせた。





「お前は、黙ってろ。



絶対に口挟むなよ。




俺が、ちゃんと話すから」






頭をぽんぽんと私をあやすかのように撫でた。





私は、小さく頷いて、



そっと玄関の扉を開けた。









「ただいま・・・」







いつもよりも小さな声で言ったら、



リビングからお母さんが出てきた。






「あら・・・わあ・・・・拓人くん?」








拓人は、頭を下げた。





「お久しぶりです。すみません突然」






お母さんは、ポロポロと泣き出した。






「もう・・・お母さん」





お母さんの肩を優しく叩くと、



リビングからお父さんも出てきた。





「何しにきた」