その日は、
オリオン座流星群の極大の日だったから、
広場を11時まで開放していた。
私はいつもお父さんの運転で通勤していたから、
今日はお父さんと一緒に11時まで、
流星群を眺めてから帰ることにした。
光の弱い流星だった。
もう、流星に願い事をするのはやめていた。
だって、全然叶わない。
【拓人とずっと一緒にいられるようにいっぱいお願いするー!!】
拓人と付き合った日、ふたご座流星群に願ったこと。
全然叶わない・・・
満天の星空
こんな時でも、やっぱり綺麗なんだ・・
それに引きかえ、私の心は醜くて汚い。
後悔と、嫉妬と、虚しさでいっぱいだ。
私は星を見上げるのをやめた。
「花音、帰ろうか」
お父さんもなんだか元気がなかった。
「うん。帰ろ・・・」
私たちは駐車場へ向かった。