「私・・・なんか嫌われるようなことを、

気づかないうちにしていたのかもしれない。




どこがいけなかったんだろうって、

何がいけなかったんだろうって、



何度も考えた」





詩織は背中をさすりながら、


うんうんと頷いてくれた。





「拓人がまだ好きで、



この気持ちをどうしたらいいのか、




つらい・・・」





詩織はまた向いの席に戻った。



「花音、顔あげて」




詩織に言われて、私は顔を上げた。






「私、思うんだけど、



別れの理由が、あやふやだよね。


そんなんじゃ花音が納得できないの、当たり前だよ。



つらくなるのも、当然だって。


このままじゃ、よくないと思うよ?



もう一度和泉に会って、


ちゃんと話し合ったほうがいいと思う」












それが・・・





「携帯の番号もアドレスも変えちゃったみたいで、



一人暮らししている場所も知らないし、




もう、どうすることもできないっていうか・・・」



「大学は知っているんでしょ?

一人暮らしの場所はわかんなくても、


自宅は知っているんでしょ?




そっから攻めていけばいいんじゃない?」