「1/4の奇跡」左側の君に【完】









「えっ・・」






一気に顔が熱くなって、顔を見られないように下を向いた。






その時、電車がホームに入ってきて、



手を繋いだまま電車に乗った。



私の家へ帰る方向の電車はいつもガラガラだけど、


こっちの電車はやっぱり混んでいた。




椅子はみんな埋まっていて、


拓人とドア付近に立った。






拓人は私を椅子とドアの間に立たせて、



その前に立って、手すりに掴まった。




白い半袖のワイシャツのボタンを二つ外して、


そこから喉仏が見えて、




手すりを掴んでいる腕は、柔らかい印象の顔とは違って、


バスケをやっていただけあって、



ガッチリと筋肉質で血管も太くて・・・



男子なんだな・・・と思った。




拓人は私を見下ろして、ちょっと眉間にしわを寄せた




「拓人?」



私が首を傾げると、窓の外を向いてしまった。