「えっ・・」
一気に顔が熱くなって、顔を見られないように下を向いた。
その時、電車がホームに入ってきて、
手を繋いだまま電車に乗った。
私の家へ帰る方向の電車はいつもガラガラだけど、
こっちの電車はやっぱり混んでいた。
椅子はみんな埋まっていて、
拓人とドア付近に立った。
拓人は私を椅子とドアの間に立たせて、
その前に立って、手すりに掴まった。
白い半袖のワイシャツのボタンを二つ外して、
そこから喉仏が見えて、
手すりを掴んでいる腕は、柔らかい印象の顔とは違って、
バスケをやっていただけあって、
ガッチリと筋肉質で血管も太くて・・・
男子なんだな・・・と思った。
拓人は私を見下ろして、ちょっと眉間にしわを寄せた
「拓人?」
私が首を傾げると、窓の外を向いてしまった。



