「1/4の奇跡」左側の君に【完】











どうして





なんで・・・・・・












古いちっぽけな駅の前。




さっきまで小さな丸い街灯が、


拓人の顔を優しく照らしてくれていたのに、





今は目の前の拓人が、ゆらゆらとぼやけだして、






瞬きをしても、


瞬きをしても、



拓人の顔がぼやけて見えない。







どうして私




気がつかなかったんだろう・・・・






こんなにそばにいたのに、






こんなにそばで見てきたのに







どうしてわからなかったんだろう・・・










「ごめんね・・・拓人・・・」











拓人は、あはははって笑った。




「いいんだよ。花音が謝ることじゃない。






いいんだ。






俺のことは気にすんな。






こうなるっていうことは、最初からわかっていたんだ。





花音が離れるまでだって。





だから、気にすんなって。




じゃあ・・な」








拓人はくるっと改札の方へ歩き出した。







ちょっと・・ちょっと待って・・・





どういう意味・・・?





「拓人!!!」