駅に着き、
拓人は自転車を止めた。
「じゃあ・・またな」
私は拓人に紙袋を渡した。
「拓人の夢は叶うよ」
拓人を見つめてそう言うと、拓人はパッと目をそらした。
「叶わねーよ」
そんな・・・拓人・・・
「普通の生活はできるんでしょ?
まだ、悪くはなってないんでしょ?
いつ悪くなるかわかんないのに、
それを恐れて、自分の夢を諦めるなんて、
そんなの、もったいないよ!」
拓人は、黙っていた。
「悪くなったら、その時考えればいいじゃん。
死ぬような病気じゃないって言ってたじゃん。
生きてれば、なんとでもなるよ!
生きてさえいれば・・・
大丈夫だよ・・・
悪くなった時だって、
私、
私が・・・
私がずっと拓人のそばで支えていくから!!」



