「1/4の奇跡」左側の君に【完】





駅に着き、



拓人は自転車を止めた。




「じゃあ・・またな」





私は拓人に紙袋を渡した。





「拓人の夢は叶うよ」





拓人を見つめてそう言うと、拓人はパッと目をそらした。





「叶わねーよ」





そんな・・・拓人・・・












「普通の生活はできるんでしょ?


まだ、悪くはなってないんでしょ?


いつ悪くなるかわかんないのに、


それを恐れて、自分の夢を諦めるなんて、



そんなの、もったいないよ!」





拓人は、黙っていた。







「悪くなったら、その時考えればいいじゃん。



死ぬような病気じゃないって言ってたじゃん。



生きてれば、なんとでもなるよ!



生きてさえいれば・・・







大丈夫だよ・・・





悪くなった時だって、


私、




私が・・・






私がずっと拓人のそばで支えていくから!!」