「1/4の奇跡」左側の君に【完】







何言ってんだ私。


ばかあーーー!!!





なんだか痛いぐらいの視線を感じて、横目で見ると、

入口の女子たちが、じーっとこちらを見ていた。



もしや、この女子たちは、


和泉狙いの女子たちだったのだろうか・・・



だったら、この状況・・ヤバすぎる。。。




「・・なんて・・あはっ・・あはははっ」




私は気まずくなって、Tシャツから手を離した。


その瞬間、


パシッとその腕を掴まれた。



え・・え?????




和泉は無言で私の腕を引っ張って歩き出した。


そしてそのまま女子たちの間をとおり、

体育館の中へと私を連れて行った。



引っ張られるがままに、和泉の後をついていった。


ものすごい周りの視線を感じた。



「ちょっと・・和泉・・

みんな見てる・・・」




和泉は何も言わずにどんどん歩いていって、


体育館の隅っこに置いてあった古い平均台のところで、


止まった。



「座ってろ」



和泉は、目を合わさないでそう言った。


私から腕を離すと、


自分の髪をくしゃくしゃっとした。






「うん・・・」



私が平均台に座ると、

和泉はコートへと走っていった。