何言ってんだ私。
ばかあーーー!!!
なんだか痛いぐらいの視線を感じて、横目で見ると、
入口の女子たちが、じーっとこちらを見ていた。
もしや、この女子たちは、
和泉狙いの女子たちだったのだろうか・・・
だったら、この状況・・ヤバすぎる。。。
「・・なんて・・あはっ・・あはははっ」
私は気まずくなって、Tシャツから手を離した。
その瞬間、
パシッとその腕を掴まれた。
え・・え?????
和泉は無言で私の腕を引っ張って歩き出した。
そしてそのまま女子たちの間をとおり、
体育館の中へと私を連れて行った。
引っ張られるがままに、和泉の後をついていった。
ものすごい周りの視線を感じた。
「ちょっと・・和泉・・
みんな見てる・・・」
和泉は何も言わずにどんどん歩いていって、
体育館の隅っこに置いてあった古い平均台のところで、
止まった。
「座ってろ」
和泉は、目を合わさないでそう言った。
私から腕を離すと、
自分の髪をくしゃくしゃっとした。
「うん・・・」
私が平均台に座ると、
和泉はコートへと走っていった。



