信号で止まった。
「本当はやりたいことがあったんだけど、
体のことを考えると、諦めないといけないから。
体が悪くなっても続けられる仕事に就けるように、
何か資格をとらないとなって思ってる」
拓人はごまかすように笑った。
「いいんだ。俺。
バスケもそうだけど、
まあ・・しょうがない!」
また、笑った。
でも、なんだかとても悲しそうに私には見えた。
「体・・・そんなに悪いの?」
「大丈夫だよ。
前も言ったけど、普通の生活はできるから。
ただ、俺のやりたいことは・・無理だから」
信号が青になり、また歩き出した。
「拓人のやりたいことって、何?」
「言わねー」
「なんでよ。教えてくれてもいいじゃん。。」
私はぷくっとすねた。
「叶わない夢を言ったってしょうがないだろ」



