「1/4の奇跡」左側の君に【完】





信号で止まった。




「本当はやりたいことがあったんだけど、



体のことを考えると、諦めないといけないから。




体が悪くなっても続けられる仕事に就けるように、


何か資格をとらないとなって思ってる」






拓人はごまかすように笑った。





「いいんだ。俺。


バスケもそうだけど、


まあ・・しょうがない!」






また、笑った。


でも、なんだかとても悲しそうに私には見えた。





「体・・・そんなに悪いの?」




「大丈夫だよ。


前も言ったけど、普通の生活はできるから。



ただ、俺のやりたいことは・・無理だから」






信号が青になり、また歩き出した。






「拓人のやりたいことって、何?」






「言わねー」




「なんでよ。教えてくれてもいいじゃん。。」





私はぷくっとすねた。





「叶わない夢を言ったってしょうがないだろ」